消費者物価指数って株価とどう関係するの?消費者物価指数によってアメリカ株はどうなるの?わかりやすく解説!
最近ニュースでなにかと目にする「消費者物価指数」
知っているようでよく知らないこの単語…。誰か、わかりやすく教えて!!
こんな悩みを解決します。
・消費者物価指数ってなに?
・消費者物価指数と株価って関係あるの?
・アメリカの消費者物価指数と株価の現状が知りたい!
消費者物価指数とは
消費者物価指数とは、「CPI(Consumer Price Index)」とも呼ばれ、日本では総務省、アメリカでは労働省が毎月公表しています。
日本では、衣料や食料品など約580項目、アメリカでは約200項目の価格の変化を調査して指数化したもので、国民の生活水準を示す指標のひとつです。
消費者物価指数は、消費者が購入するモノやサービスなどの物価の動きを把握することが出来るため、インフレを分析するための最も重要な指標として、市場から注目されています。
消費者物価指数と株価の関係
消費者物価指数は、国内のインフレを分析することが出来るので、インフレによって利益を圧縮してしまうような企業の株価は下がる傾向にあります。一方で、インフレによって利益を大きくできる企業の株価は上がる傾向にあります。
インフレで上昇しやすい業種
インフレによって株価が上昇しやすい業種は、エネルギー株・素材株です。
エネルギー株や素材株は、インフレの影響を1番最初に受ける一方で、仕入れたい業者に価格の上昇を転嫁しやすい立場にあります。
エネルギーや素材を仕入れたい企業の立場から考えると、インフレが進み、多少価格が高くなっても、仕入れないと商売ができないため、ある程度の価格上昇は受け入れる傾向があります。
また、エネルギーは人間にとって無くてはならない資源です。どんなにガソリンが高くなっても、普段車で通勤している人は、ガソリンを入れなければならないですよね。
配送業者もどんなにガソリンが高くなっても、配送をやめるわけにはいきません。
以上の理由からインフレによって株価が上昇しやすい業種は、エネルギー株・素材株となります。
インフレで下落しやすい業種
インフレで下落しやすい業種はグロース株(成長株)・卸売株です。
過度なインフレが起こると、国が金融引き締めを行い、通貨の価値を上げようと動き出します。金融引き締めが行われると、資金力の乏しいグロース株の株価は下落しやすい傾向にあります。また、卸売株は、素材が高騰しようが、経費がかさもうが、もともと薄利多売で成り立つビジネスモデルであることが多いため、消費者に上昇したコストを転嫁できない可能性があります。ですので、卸売株はコストばかり上昇して、利益を圧縮してしまうことが多いので、成長性が見込まれなくなり、株価が下落しやすくなります。
以上の理由からインフレによって下落しやすい業種はグロース株(成長株)・卸売株となります。
アメリカ株に消費者物価指数が及ぼす影響
消費者物価指数はアメリカ株に大きな影響を及ぼします。
なぜなら、アメリカは世界最大の消費大国であり、GDPの70%が個人の消費で成り立っているからです。
行き過ぎたインフレが起こると、消費者はモノの価格が高すぎて消費を減らそうとします。
すると、アメリカ国内の消費が鈍り、GDPは低下するでしょう。また、国民が消費してくれることを前提としたアメリカの企業は売上・利益ともに減少するでしょう。
売上・利益が減少すれば、おのずとアメリカ株の株価は下がってしまいます。
国民の投資家心理に影響する
消費者物価指数で予想を超えるインフレである場合、アメリカ国民の投資家心理に影響します。
消費大国であるアメリカは、消費者物価指数が過度に上昇し、ひどいインフレを引き起こしている際、国民の生活が苦しくなります。
生活が苦しくなれば、当然株式や債券に回すことのできるお金も少なくなりますので、積極的な投資を控えるようになります。
ですので、消費者物価指数が投資家心理に与える影響は大きいです。
国の金融政策に影響する
消費者物価指数は国の金融政策に大きく影響を与えます。
消費者物価指数を見て、アメリカの中央銀行であるFRB(米連邦準備理事会)は先々の金融政策の方針を決めます。
例えば、アメリカで過度なデフレが起き、消費が大きく落ち込んでいる際には、大規模な金融緩和を行って、景気を温めようとします。これは株価には追い風で、2020年のコロナショック時には、この金融緩和によって株式相場は大きく上昇しました。一方で、過度なインフレが起きた時は、金融引き締めを行い、景気の過熱を抑えようとします。約40年前のオイルショック時には、アメリカ国家が過度なインフレを危惧し、金融引き締めを行ったため、株価は大きく下落しました。
以上の理由から、消費者物価指数はアメリカの金融政策に大きな影響を与え、株価にも強く影響を及ぼします。
まとめ
本記事では、消費者物価指数と株価について解説しました。
まとめると
・インフレによって上昇しやすいのはエネルギー株・素材株
・インフレによって下落しやすいのはグロース株・卸売株
・アメリカでは、消費者物価指数は投資家心理と金融政策に影響
現在、世界中でインフレが起きており、投資家は消費者物価指数の動きに注目しています。
今後、あなたが投資戦略を決めていくうえで、重要な指標になる消費者物価指数。本記事を何度も読んで理解を深めることで、あなたの投資が有意義になることを願っています!消費者物価指数についてもっと知りたいあなたは、こちらの書籍がオススメです。
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