1度読むだけでわかる金融緩和とは?知らなきゃ恥ずかしいメリット・デメリットもあわせて解説!
「金融緩和って言葉は聞いたことがあるけど、具体的に何をするのかわからない。」「金融緩和したらいいことあるの?」「むしろ金融緩和するデメリットって?」わかりやすく教えて!こんなお悩みを現役金融マンである私がわかりやすく解説します。
・金融緩和ってなに?
・金融緩和のメリット・デメリットが知りたい!
目次
金融緩和とは
金融緩和とは、中央銀行が景気回復を促すために実施する金融政策のことを指します。景気が悪くなっている局面で政策金利を引き下げたり、市場に出回る資金を増やしたりすることで、投資や消費などの経済活動を活発にさせようと促すために行います。
各国の金融緩和には以下のようなものがあります。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB084AI0Y1A900C2000000/より引用
なお、金融緩和の対義語は金融引き締めであり、政策金利を引き上げたり、市場から資金を回収したりすることで、景気の過熱を抑えようとすることを指します。
金融緩和のメリット
難しそうに聞こえる金融緩和ですが、様々なメリットがあります。
・景気が良くなる
・デフレから抜け出せる
それぞれ解説します。
お金を借りやすくなる
金融緩和が行われると、お金が借りやすくなります。なぜなら、市場の金利が下落するため、銀行が貸し出す金利も一緒に下がるからです。金利が下がれば、借りる側の金利負担が大きく減りますので、お金を気軽に借りやすくなります。これは個人・企業どちらにも当てはまりますので、国全体に大きな影響を与えます。
景気が良くなる
金融緩和が行われると景気が良くなる傾向にあります。金融緩和により、流通するお金が増えれば、投資や消費にお金がまわりやすくなります。
消費は新たな消費を促し、投資も新たな投資を呼び起こす良い景気の流れを作ることが出来ます。
デフレから抜け出せる
デフレから抜け出すために金融緩和が行われることもあります。デフレとはモノの価値が下がり、通貨の価値が高くなりすぎることで、消費者の消費意欲が薄れてしまうため、もっとモノが売れなくなるという現象のことをいいます。この悪循環を抜け出すために、金融緩和を行い、市場にお金を大量に流通させることで、モノの価値を上げ、デフレから脱却することが出来ます。
金融緩和のデメリット
ここまで解説を読んだうえで、金融緩和っていいこと尽くしじゃん!と思われたかもしれません。しかし、金融緩和にはデメリットもあるのです。
・銀行が儲からなくなる
・インフレのおそれがある
順番に解説します。
株式相場と実体経済の乖離を引き起こすおそれがある
金融緩和を行うことで、株式相場と実体経済に乖離が生まれてしまう恐れがあります。
中央銀行が大量の国債やETF(上場投資信託)を購入することで、経済がまだ潤っていないのに株価が異常に上昇してしまうことがあります。
例えば、日本では2013年からアベノミクスが行われ、日本銀行の大規模な日経平均のETF買いが行われました。これを受け、株式相場は大きく上昇。でも実体経済はどうでしょう。GDPは伸び悩み、国民の賃金も伸びていません。この例が、金融緩和が引き起こした株式相場と実体経済の乖離を分かりやすく表しています。
銀行が儲からなくなる
金融緩和を行うことによって、市場の金利が下がるため、金利で利益を出す銀行は儲からなくなります。
銀行はお金のインフラであり、銀行が立ち行かなくなると非常に不安定な経済になってしまいます。
日本では、大規模な金融緩和が続いている影響を受け、銀行の収益は激減。メガバンクでは、大量リストラ、地方銀行は合併を余儀なくされています。
インフレのおそれがある
金融緩和を行い、市場に大量のお金を流通させすぎてしまうと、過度なインフレを引き起こしてしまいます。過度なインフレが起きると、お金の価値が極端に下がってしまい、いわゆる紙切れ同然となってしまうため、中央銀行は流通させるお金の量を慎重に決めていかなければなりません。
過去に過度なインフレが起きた例を挙げると、第一次世界大戦後のドイツです。当時ドイツは戦争に敗れ、対戦前と比べて物価が2500倍にも膨れ上がりました。
日本円で例えると、1個100円のパンが250000円になる計算です。
このように金融緩和を行うことで、過度なインフレを起こしてしまうおそれがあります。
まとめ
本記事では金融緩和とメリット・デメリットについて解説しました。
まとめると
金融緩和のメリット
・お金を借りやすくなる
・景気が良くなる
・デフレから抜け出せる
金融緩和のデメリット
・銀行が儲からなくなる
・インフレのおそれがある
本記事を最後まで読み終えたあなたはこれからニュースで金融緩和というワードが出たらすぐ理解できるでしょう。金融緩和についてもっと細かくしりたい方はこちらがオススメ!
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